足助城 (愛知県豊田市)


復元された戦国の山城へショートツーリング

1993年に復元・開城された足助城。南物見台から本丸の高櫓をみる
1993年に復元・開城された足助城。南物見台から本丸の高櫓をみる

「足助(あすけ)城」は、紅葉で有名な香嵐渓のすぐ近くにある山城。城跡公園足助城として一般公開されているこの城は発掘調査結果に基づいて復元された戦国時代の山城で、砦のような質素な雰囲気が城めぐりファンに好評の観光スポットです。ただ、香嵐渓のすぐそばにありながら一般の観光客にあまり知られていないのが残念。年間を通じて人混みもなくのんびりと見て回れるし、名古屋からすぐ近くの場所なので、寒い時期のショートツーリングの目的地としてグッドです。


おすすめコース

名古屋からなら、まずは名古屋長久手線で東に走り、そのまま有料道路の猿投グリーンロードへ。そして終点まで進んだら左折してR153に入り、9.4kmほどR153を東進して足助の中心地へ。足助大橋西交差点で右折してR420に入ったら、香嵐渓を越えてさらに650mほど進み、足助城の案内看板を目印にして山道へ左折。あとは山道を900mほど登れば足助城の駐車場に到着。名古屋から約40kmのコース。


猿投グリーンロードの料金は二輪自動車320円
猿投グリーンロードの料金は二輪自動車320円

香嵐渓を目指して走ればOK

適度なワインディングで楽しい有料道路の猿投グリーンロードを使って、まずは終点の力石ICまで一気に。するとR153に突き当たるので、ここで左折してR153でさらに東進します。足助の中心地に入ったら、足助大橋を渡って香嵐渓方面に進むR420で足助城に向かいますが、R420は香嵐渓を越えてから、右側の狭い脇道に入るように続いているので注意。そして足助城の案内看板を目印にR420から山道に左折して登っていくと、足助城の無料駐車場に行き着きます。

足助城に続く山道。閉城日は毎週木曜日
足助城に続く山道。閉城日は毎週木曜日

丘の上の砦といった雰囲気

バイクを停めたら入城料300円を支払ってさっそく散策開始。小高い丘の上に建つ高櫓(たかやぐら)を目指して歩いて行きます。足助城は戦国時代、この地を治めた足助鈴木家の本城だと考えられている山城で、町制100周年事業として1993年に復元・整備されました。発掘調査結果に基づいて復元された戦国時代の山城はここが全国初だとか。城といえば白亜の天守閣をイメージしますが、足助城は掘っ立て柱の高櫓や、丸太でできた柵などとっても質素。でも、その雰囲気がリアルで逆にそそられます。

標高301mの真弓山に建てられた足助城
標高301mの真弓山に建てられた足助城

これが本物の戦国の城

実はいわゆる天守閣があるのは戦国時代以降に建てられた城。なので戦国時代の城は足助城のような姿がフツーだったようです。無骨な物見台や、石置き屋根の住居などを見ながら散策していると、戦国の世にタイムスリップした気分に・・・。史実に基づかないコンクリート製の天守閣より、質素な足助城の方が「本物」の迫力が伝わってきて楽しいです。ちなみに、紅葉の時期はこの足助城の周囲も真っ赤に彩られてきれい。香嵐渓の混雑を避けて、足助城で紅葉狩りというのも手。


足助町で見つけた
かまど小屋のある南の丸から南物見櫓を見上げる
かまど小屋のある南の丸から南物見櫓を見上げる
本丸に建つ長屋の内部。戦国のリアルな雰囲気がある
本丸に建つ長屋の内部。戦国のリアルな雰囲気がある
御菓子処・加東家のレアポテト。グラム売りで340円程度
御菓子処・加東家のレアポテト。グラム売りで340円程度


本丸に建つ高櫓と長屋。自由に中に入って見学できる
本丸に建つ高櫓と長屋。自由に中に入って見学できる

知るひとぞ知る足助城へ

本丸の高櫓に登ると、窓から足助の町並みや街道がよく見えて、なるほどここは砦として良い立地だと納得。入場時に案内パンフレットがもらえるので、これで詳しい情報などをチェックしてみて下さい。散策が終わったら足助の町並みまで戻って、土産に御菓子処・加東家のレアポテトをゲット。さつま芋を丁寧に裏ごしして生クリームと合わせ、さつま芋の皮の上に盛り付けた足助の人気スイーツです。店舗の中でいただくのもOK。その後は、来た道をUターンしてもいいし、R153をさらに進んで稲武方面にツーリングを続けるのもいいでしょう。

高櫓の二階から足助の古い町並みを見下ろす。手前は茅葺の西物見台
高櫓の二階から足助の古い町並みを見下ろす。手前は茅葺の西物見台