BIKE MUSEUM
歴史の中に埋もれているバイク達の博物館
2021年3月1日 更新
ZZR1100
・水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒・排気量1,052cc・最高出力147ps/10,500rpm・最大トルク11.2kg-m/8,500rpm・車重228kg・1990年モデル輸出車
モーターショーでのお披露目は地味
1990年に登場したZZR1100は、ZX-10の後継機として市販された輸出専用バイク。前年の1989年の東京モーターショーで発表されました。でも当時はレーサーレプリカブームに陰りが見え始めた時期で、この東京モーターショーのカワサキブースで注目を浴びたのはネイキッドモデルであるゼファー400。そして一緒に展示されていたZZR1100は最高出力も最高速度もあえて未発表だったし、国内では発売されない輸出車ということもあって、あまり話題になりませんでした。
その実力にびっくり、そして絶賛
デビュー当初は注目されなかったZZR1100ですが、各国のジャーナリストが試乗やテストをすると、最高速が290km/hに達する市販車最速バイクであるという事実や、そのうえ扱いやすく、コーナリングも得意であるという絶賛のレポートが続出。それを見た世界中のライダーの間で一気に人気が高まり、すぐに日本でも大注目のバイクになったのでした。ただ、日本では正規販売ルートが無くてなかなか入手できないこともあり、当初120万円台だった新車価格が180万円超えのプレミアム価格になったことも・・・。
ラムエア吸気でブースト加速
最高出力はZX-10の137馬力から147馬力に大幅アップ。そして高速域ではクラス初採用のラムエア吸気によりさらなるパワーが加わりました。実はカワサキはこのZZR1100を300km/hを狙うモデルとして開発。惜しくもノーマル状態ではそこまで出ませんでしたが、ZZR1100は市販車最速バイクとして認知され、1996年にホンダからCBR1100XXが登場するまでその最速バイクの座をキープしたのでした。ちなみにCBR1100XXの最高速を打ち破ったのが1999年に登場したスズキのハヤブサ1300。
最速バイク競争に火をつけた名機
ZZR1100の人気がきっかけで各社の最速バイク競争が激化していくわけですが、ZZR1100はただの「直線番長」ではなく、運動性能も良かったのがポイント。実際に乗ってみると、ハンドリングが軽快で市街地走行でも楽だったし、ツーリングも快適でした。ZZR1100は1993年に二代目にモデルチェンジしてさらに人気が高まり、結局、2001年まで生産が続けられてロングセラー車に・・・。そんなZZR1100ですが、当時はネイキッドブームがあったため、ZZR1100に関心が無かったライダーも意外に多いようです。この機会にもう一度ZZR1100を見直してみて下さい。